レーシックにかかる手術費用の相場は20万円から35万円程度。高い場合には40万円から50万円程度になることもあります。これらの支払いが経費になるのであれば、支払う税金を大きく節税することができます。
レーシックの手術費用は経費にできない
レーシックの支払いについては残念ながら経費とすることはできません。経費とすることができるのは、収入を得るために必要な「売上原価」「販売費・一般管理費」「その他の費用」となり、レーシックなどの費用はこれらに含まれません。
(1)総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
(2)その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額
No.2210 やさしい必要経費の知識
レーシックは医療費控除で使用する
ただし、レーシックについての支払いは確定申告時に、「医療費控除」として使用することができます。個人事業や法人の事業としての経費には入れることができませんが、個人の所得計算の際に控除として使うことができます。
医療費控除とは
医療費控除とは年間で医療費としてかかる金額が10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%の金額)を超える場合に受けられる控除です。
また医療費だけでなく、移動にかかった交通費、薬代金も控除の額に含まれ、医療費控除の上限は200万円となります。No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
医療費控除でいくら節税になるか
レーシックの手術費用で医療費控除を使った場合にいくら節税になるのかは、所得金額によって異なります。それは所得税の税率が所得によって異なっており、所得が上がるにつれて税率も高くなっていくためです。
(所得税率表)
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
税率は5%から45%となっており、医療費控除の対象となる金額(支払った医療費から10万円を引いた額)から5%〜45%をかけた金額が節税額となります。仮に20%の税率を使用していて医療費控除の対象額が50万円であった場合には、10万円が節税額となります。
医療費控除を受けるために必要な添付書類
レーシック手術を行って医療費控除を受けようとする場合には、医療費控除の明細書の添付が必要となります。医療費の領収書の添付または提示は必要ありません。ただし、明細書の記入内容の確認のため、確定申告期限等から5年間保管しておく必要があります。医療費控除の明細書
医療費明細書には以下の内容を記載します。
①被保険者等の氏名
②療養を受けた年月
③療養を受けた者
④療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称
⑤被保険者等が支払った医療費の額
⑥保険者等の名称 ※2 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族のために支払った医療費に関する医療費通知に限ります。
医療費控除の明細書
オルソケラトロジー治療(角膜強制療法)も控除の対象
オルソケラトロジー治療(角膜矯正療法)についても、屈折率を正常化させて視力の回復をさせるものであるため、医療費控除の対象となります。
医療費控除の対象とならないケース
レーシックやオルソケラトロジー両方は視力を矯正し、正常な状態に回復させるものとして医療費控除の対象として認められていますが、近視や遠視などのために日常生活の必要性に基づき購入される眼鏡等については視力を回復させる治療の対価ではないので医療費控除の対象とはなりません。
まとめ
今回はレーシック手術にかかる費用が経費になるのかについて解説しました。レーシック費用は経費にはなりませんが、医療費控除として確定申告時に所得から差し引き税金負担を抑えることはできます。
医療費控除を使用する際には医療費控除の明細書を添付する必要があるということも覚えておきましょう。
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