インターネットの使用代金は月額4,000円から6,000円程度。年間で考えると5万円から7万円程度にもなるので、事業をしている場合経費に入れられるのであれば入れたいところです。
インターネット代を経費にできる前提
まず、インターネットにかかる費用を経費にするためには、業務として使用していることが前提となります。
事務所や工場を自宅と別に構えているのであれば、事務所や工場で発生しているインターネット代金については100%経費に入れることができます。
ただし、自宅の一室を事務所にしている、自宅で仕事をしているなどという場合には、「明らかに区分することができる場合には」自宅で使用しているインターネット使用料を按分して業務部分のみ経費にすることができます。
<ポイント>
経費にすることができるのは業務で使用している部分のみ
合理的な基準で使用割合を按分する
この業務部分をいくらにするか、という部分について税務署は「合理的な基準で」按分するようにと言っています。
<参考>
この場合、必要経費に算入する減価償却費の額は、発電量のうち売却した電力量以外の割合を店舗と自宅における使用の実態に基づく使用率や使用面積割合等の合理的な基準による店舗の使用割合によりあん分し、その割合と発電量のうちの売却した電力量の割合の合計を事業用割合として計算することが考えられます。(自宅兼店舗に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入)
自宅のインターネット代は何割経費に入れるのが妥当か
実際にインターネット代を経費として入れる場合、何割程度が妥当なラインかということですが、「使用の実態」に基づいているので合理的に説明ができるのであれば何割でも経費とすることができるでしょう。
ただし、自宅で使用している以上、明確に回線を分けているなどしていなければ100%という使用率は難しいと考えられます。
合理的な基準を判断する際には
・使用時間
・使用日数
・使用面積
などを使用することが考えられますが、インターネットの使用状況については面積によって変わるものではないため、「使用時間」で按分する方法が妥当かと考えられます。
インターネットの按分計算方法
実際にインターネットを経費にどれだけ入れることができるのかを計算してみましょう。
業務での使用時間
(月)〜(金)1日7時間仕事でインターネットを使用している。
5日×7時間=35時間
プライベートでの使用時間
(月)〜(金)1日3時間プライベートでインターネットを使用している
5日×3時間=15時間(1)
(土)〜(日)1日10時間プライベートでインターネットを使用している
2日×10時間=20時間(2)
(1)+(2)=35時間
このような考え方でいくと、業務での使用時間35時間、プライベートでの使用時間35時間となりますので、50%部分については経費として考えることができます。
仮にインターネット代金として5,000円月に使用しているとすると、
5,000円×50% = 2,500円
を経費とすることができます。
使用の実態に基づく使用率を使用
もちろん、「使用の実態に基づく使用率」ですから、実際の使用率が
業務での使用時間:35時間
プライベートでの使用時間:15時間(土、日は使用していない)
というような場合には
35時間(業務) ÷ 50時間(合計)×100 =70%
として70%を経費とすることができ、その場合、
5,000円 × 70% = 3,500円
を経費とすることができます。
税務署に電話相談したところ厳密にはスマホや家族使用分も
インターネットの使用割合について税務署に電話相談したところ、厳密にはインターネットに接続している「スマホ」や「家族の使用分」も台数等で考慮する必要があると言われていました。
ただ、業務中スマホはほぼ使用しない、家族の使用についても微々たるものであればあまり考慮する必要もないかとのことでした。
ただ少なくとも調査等があれば容易に尋ねられることではあると思いますので、どのように割合に組み込まれているのか説明できるようにしておくと良いでしょう。
インターネット代の勘定科目は通信費
インターネット代の勘定科目は「通信費」を使用することが一般的です。また、インターネットを開設するためのLAN工事等も先ほどと同様の割合で経費として入れることができます。
10万円以上であれば「建物付属設備」として固定資産として計上し、減価償却で徐々に経費にします。10万円未満であれば「消耗品」や「支払手数料」として経費処理することができます。
プライベートで使用した部分の支払いについては、「事業主貸」という科目を使用します。
仕訳をした際には、適用欄に按分比率を記載しておくと割合を忘れないため便利です。
まとめ
今回はインターネット代を何割経費に入れられるのかということについて解説しました。自宅で仕事をしているような場合には合理的な割合で按分することにより、業務部分を経費とすることができます。
妥当なラインが何割と特に定められているわけではありませんが、使用の実態に基づく合理的な使用率によって何割か決められます。インターネットの使用については時間や日数を根拠とすることが考えられます。その際には休日や家族の使用分についても考慮しておきましょう。
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