最近では様々な種類のゲームがあり、ソフトやアプリへの課金額も年間で考えると結構な額に、、、という方も多いようです。
いくつか条件はありますがゲーム内での課金は経費として落とせるケースもあります。今回の記事ではどのような場合にゲーム内の課金やソフト代が経費になるのかを解説していきます。
今回の記事は
・ゲーム内課金を経費に落とせるか知りたい
・アプリへの課金を経費に落とせるか知りたい
・何の科目で経費にできるのか知りたい
という人におすすめです。
ゲーム内の課金(ガチャなど)を経費に落とす前提
ゲーム内の課金を経費に落とす前提として、まずその課金は「事業と直接的に関係がある」ことが必須条件となります。
課金する人が法人の代表であっても、個人のフリーランスであっても一番重要なことは「その課金が事業と関係があるかどうか」です。法人名義や個人事業名義で領収書を切って貰えば、、、とかそういうことではなくて、実際に事業と関係しているかがポイントとなります。
調査があった場合、「合理的に税務署員に説明できるか」それが経費にできるかどうかの1つの目安となります。
ポイント:税務署は事業と関係があるものかどうかをチェックする!
ゲーム内の課金を経費に落とせるケース
では具体的にどのようなケースでゲーム内の課金を経費に落とすことができるのでしょうか。ゲーム内の課金を経費に落とすことができるケースは以下のようなものが考えられます。
・ゲームをすることが仕事と直接関係がある
・取引先との関係で必要
・市場を調査するために必要
1つ1つについて具体的にご紹介していきます。
ゲームをすることが仕事と直接関係がある
ゲームをすることが仕事と直接関係がある場合、ゲーム内の課金を経費に落とすことができます。具体的には以下のような仕事が考えられます。
・ゲームのアプリ開発を行なっている
・ゲーム実況を行なっている
・ゲームの攻略サイトを運営している
ゲームのアプリ開発を行なっているのであれば、ほぼ100%経費に落とすことができます。ただしその場合でも、なぜそのアプリへの課金が必要だったのかを説明できなければなりません。
例)課金当時同じジャンルのゲームアプリ開発を行なっていたため参考として既存のアプリを調査する必要があった。
またゲーム実況を行なっているような場合にも経費として落とせる場合があります。ゲーム実況者はそのゲーム自体が商売道具ですからゲームがなければ商売が成り立ちません。一見して経費として落とすことが合理的なように考えられます。
しかし注意しなければならないのは、「そのゲーム実況が本当に収益を生み出しているか」です。全く収益を生み出していないのに経費だけを計上していると税務署も「?」と思うかもしれません。
そのような場合にはその支出が将来収益を生み出すということを合理的に説明できるようにしておきましょう。ただ遊んでいるだけ・・・と判断されてしまっては経費として落とすことは難しくなります。
ゲームの攻略サイトを運営している場合にもアプリ内課金を合理的に経費として落とすことができる可能性が高いです。ゲームの攻略サイト運営はこの3つのケースの中で最も経費として落とすことのできる可能性が高いと言えるかもしれません。
ゲームの攻略サイトの前提として、そのゲームをクリアすることが必要となりますし、課金をして色々なアイテムやキャラクターを購入してそのことを攻略サイト内にて解説する必要があります。つまり課金=他業種でいう「仕入れ」のようなものに該当します。
取引先との関係で必要
その他、「取引先との関係でゲーム内の課金が必要」というケースも考えられます。具体的にはどのようなことかと言うと、ゲーム会社が取引先や営業先であるような場合には最低限取引先の扱う商品(ゲーム)についての知識は入れておく必要があります。
ただし、本当にその「課金」が必要なものかどうかは税務署員に対してきちんと説明ができるようにしておく必要はあります。取引先の扱っているゲームアプリについての知識を入れておくという理由で何十万と課金する必要が本当にあるのか、そのことが仕事とどのように繋がっているのか・・・。そのようなことが問われます。
市場を調査するために必要
開発しているアプリや商品のターゲットとしている市場が当該ゲーム市場と合致しているような場合、そのような場合には「市場調査」としてそのゲームに参加してみる必要が出てきます。
・ゲーム内でどのような声が上がっているのか
・プレイヤーはどのような不満をゲーム内で持っているのか
・どのような需要があるのか
そのような市場調査をするためにゲーム課金が必要になっているというケースも考えられます。
この市場調査というのは非常にグレーな部分が多くなります。なぜかと言うと、「売上と直接的に結びつくわけではない」からです。売上と直接結びつく「仕入れ」のような課金であれば経費として落とすことは合理的で説明もつきやすいのですが、市場調査などの場合には売上に直結するわけではありません。ですので最低限、市場調査を行なった際の「報告書」は作成しておく必要があります。
ゲームが今後「交際費」になる可能性
近年ではゲームは1つの「交流スペース」と化してきています。これまでのゲームを楽しむという行為は現在では「ゲームを通して交流を楽しむ」といったニュアンスに変わってきています。
最近のゲームでは基本的にはオンラインでゲーム内に入り、そこにいる他のユーザーとチャットをしながら、またはボイスチャットをしながらゲームを楽しむということが日常となってきています。そうなると、ゲームについて経費の考え方も改めていかなければなりません。ゲームがより「交流の場」という位置付けになってきている以上、経費としても「交際費」の要素が強くなっているように思えます。
現在会社において会議を行う場合、時間や移動などの経費の節約としてスカイプなどを通して行うことも増えてきています。「交際費」においても同じことが言えるのではないでしょうか。
「時間」や「移動」の節約としてオンラインゲーム内にて取引先と会う。そこではもちろんボイスチャットで会話しながらゲームを楽しむことができますから取引先との関係を強め、ゲーム内で敵を倒した後には「今後もよろしくお願いします。今度自社の商品について紹介させてください・・・」。個人的にはゴルフプレー代を経費として落とすことと大きな差はないようにも思えます。
今後、納税者の年齢層も若くなってくるとそのような「オンライン上での交際費」も日常になってくるかもしれません。
ゲーム課金の勘定科目は「消耗品」として処理
実際にゲーム課金を経費として処理する場合、勘定科目は一般的に「消耗品」として処理します。しかしこれも「目的」によって勘定科目は変わるケースがあります。仕訳は以下のように行います。
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
消耗品 | 1,000円 | 普通預金 | 1,000円 |
例えば、市場を調査するために課金を行ったのであれば「市場調査費」、取引先との付き合いで課金したという場合には「交際費」に該当します。
また金額が10万円を超えるようなソフトであれば「ソフトウェア」として一度「資産」に計上し、年月をかけて徐々に経費にしていく減価償却を行います。
あくまでも目的によって勘定科目は変わります。ただし、一度選択した勘定科目は継続して使用するようにしましょう。
ポイント:課金の目的によって勘定科目は変わる
まとめ ゲーム内アプリやソフトへの課金を経費で落とす方法
今回の記事ではゲーム内のアプリやソフトへの課金を合理的に経費として落とす方法についてご紹介しました。基本的には「事業と関係しているか」が全てとなります。
つまりご自分が「どのような事業を行なっているのか」も関係してくるため、一概に「ゲーム内のアプリ=経費にできる」と言い切ることはできません。経費についてこれは全てに言えることで、全てがケースバイケースとなり、個別の対応です。なので軸としては「事業と関係しているか」そして具体的には、
・ゲームをすることが仕事と直接関係がある
・取引先との関係で必要
・市場を調査するために必要
このような場合には経費として落としやすくなります。
個別にこのケースはどうなのだろう・・・と心配の方は専門家にご相談ください。
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