
節税を考える上でまず大事なことは、経費をくまなく計上することからです。まずは経費計上に漏れているものがないかを確認しましょう。
美容師の経費として計上できるものにはこれらのものがあります。
美容室で経費として計上できるもの
美容師として働いていく際に経費計上できるものには以下のものがあります。()内は使用する勘定科目となります。
・店舗にかかる費用
家賃(地代家賃)
改修費(修繕費)
修繕費(修繕費)
保険(保険料)
水道光熱費(水道光熱費)
インテリア(消耗品)
・事務作業にかかる費用
パソコン(消耗品・10万円以上であれば工具器具備品として資産計上)
経理などのソフト代(消耗品)
ノートなどの文房具(事務用品)
・普段の営業活動で使用する費用
ハサミ等(消耗品)
シャンプー他(消耗品)
雑誌や新聞・書籍(新聞図書費)
・間接的に営業と関係する支払い
雑誌・アプリ等の掲載料(広告宣伝費)
セミナーなどの参加費(研修費)
組合などの会費(諸会費)
お付き合い等の飲食代(交際費)
打ち合わせの際の飲食代(打ち合わせ会議費)
メンバーとの交流目的の食事代(交際費)
事業と関係する交通費(交通費)
・税金関係
個人事業税(租税公課)
※所得税や住民税は個人として納める税金であるため経費計上できません。
経費にできないもの
一方で、内容が個人的なもの、プライベートのものである場合には美容室名や法人名名義で領収書を切ってもらったとしても、経費として計上することができません。
これらのものは経費計上することはできません。
・私的な支払い
・借入の返済(事業と関係のある借入の場合、利息部分は経費計上可)
・所得税、住民税の支払い
・個人事業主に支払う給料
美容師が使える効果の高い節税方法ベスト5
では、美容師が使える節税効果の高い5つの方法をランキング形式でご紹介します。
第5位 社員→業務委託に
社員やアルバイトとして雇っている従業員を「業務委託」とすることで、消費税を節税できる場合があります。
消費税は基本的に課税売上から課税仕入れを差し引いて算出します。給料は課税仕入れに該当しないのですが外注費は課税仕入れに該当するため、業務委託として契約することで差し引かれる額が増え消費税の支払額が抑えられるという仕組みです。
ただし、雇われている側の立場からすると、確定申告の手間が発生したり社会保険の負担が増えるなどのデメリットがあるため従業員の理解をまず得る必要があります。
また課税売上高が5,000万円以下であることなど一定の要件を満たしている場合には「簡易課税制度」を選択している場合があります。
この場合には消費税の計算は売上と業種を元に簡易的に行われるため給料であっても業務委託であっても消費税額は変わりません。
第4位 小規模企業共済
小規模企業共済は常時使用する従業員の数が20名以下の個人事業主、または会社等の役員が加入できるもので、積立による退職金制度です。
月々の掛け金は1,000円〜70,000円まで500円単位で設定が可能で、掛金を全額所得控除することができるというメリットがあります。
ただし、共済金を受け取る際には「退職所得」または「雑所得」、「一時所得」として課税されます。
しかしこの場合でも、退職所得とすることで大きな税額軽減を受けることができるため、掛け金を支払っている際には掛け金の額を控除でき、退職所得控除を使い受け取る際にも税金負担を避けることができます。
第3位 専従者給与として家族などに給料を支払う
事前に税務署に届出を行うことで「専従者給与」として家族などへの支払いを経費とすることができます。
白色申告の場合、配偶者に対しては86万円、その他の親族へは50万円が上限となります。青色申告の場合、上限はありません。
ただし、専従者給与を支払うと「配偶者控除」は使えなくなりますので注意しましょう。つまり、月3万円程度の支払いであれば専従者給与を使わずに配偶者控除を使ったほうがお得ということになります。
第2位 青色申告特別控除
「青色申告特別控除」を使うと所得金額から55万円(一定の要件を満たすと65万円)または10万円を控除することができます。
55万円の控除を受けるためにはこれらの条件を満たしている必要があります。
・不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営んでいる
・正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳している
・貸借対照表・損益計算書を確定申告に添付し控除の適用金額を記載し期限までに申告書を提出
65万円の控除を受けるためには以下の条件を満たしている必要があります。
・55万円の青色申告特別控除の要件を満たし、
・仕訳帳、総勘定元帳を電子帳簿保存、または確定申告書をe-Taxにより提出
他の節税方法と違い、数少ないキャッシュが出て行かない節税方法ですので、本質的な節税効果があります。
ただし注意点として、これらの要件を満たすためには費用と手間がかかるという点です。基本的に会計ソフトを使用する必要があり、ソフトの利用料は月々数千円程度かかることとなります。
第1位 家事按分
プライベート部分と事業部分が混在しているような場合には、「家事按分」をすることで一定割合を経費とすることができます。
例えば、家で一定の作業をしている、部屋の一室を荷物や書類置き場として使用しているというような場合、家賃、水道光熱費、通信費などを一定割合経費に入れることができます。
また事業として車を多少でも使用する場合、自動車関連の費用として一定割合経費に入れることができます。自動車関連の費用としてはガソリン代だけでなく、税金や保険、購入費用なども含まれますので一定割合だとしても大きな金額となります。
ただし、経費として認められるためにはプライベート部分と業務部分ときっちりを分けられているかが条件となりますので、按分計算の根拠が必要となります。
番外編・法人化
また規模によっては法人化を検討することで、出張手当や日当などを必要経費としていくことができたりと、経費の幅も広がりますので様々な節税対策をすることができます。
また個人とは違い会社から役員報酬として給料を受け取る形になるので、個人として支払う所得税や住民税、社会保険料の額はある程度コントロールすることができます。
まとめ
今回は美容師ができる節税方法ベスト5についてご紹介しました。まとめるとこのようになります。
第5位 社員→業務委託に
第4位 小規模企業共済
第3位 専従者給与として家族などに給料を支払う
第2位 青色申告特別控除
第1位 家事按分
その他、ご紹介した経費にできる項目に漏れがないかも確認しておきましょう。
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